出かける時、本を持たないと落ち着かない。
今日のお供は夏子と姜尚美さんの「京都の中華」。

正直、持って出かけたからと言って必ず読むわけではない。

持っていないと不安で、持っていると安心する。

 

持っていないからと言って悪いことが起きるわけじゃないけど、
肌身離さず持っていたい「お守り」のような存在だ。

本は(気持ち的に)私を守ってくれ、でも、こんなふうにボロボロになってしまう。

そんな私にぴったりの袋に高崎のレベルブックスさんで出会った。
ちょうど展示をされていたイラストレーターPotzkunさんの布の巾着袋。

一般的な本のサイズならぴったり入る。まるで本のための袋のようにぴったり。

そういえば御守りの袋もこんな形の袋だったことに、今気づいた。

布の袋の内側に文字の書かれた紙と木の板が入っていて、上をキュッと紐で縛ってある。

本を入れた巾着袋は見た目も中身も「お守り」だ。
気分によって中身を入れ替えることが出来る日替わりの自分だけのお守りだ。

私がこの袋をとっても気に入っているのにはもうひとつ理由がある。
私にとってのもうひとつの心の「お守り」。

例によってまたボロボロ。
理由はもちろんずっと持ち歩いていただからだ。
しかも高校時代、自転車のカゴの中で揺られ、時には雨が染み込み、それでも毎日毎日。

哲学者たちの「生きること」への探求は今でも私の心のお守り。

不安になったら今でも倫理用語集を開く。
パッと開いたところを読むと、なんだか先人から生きるヒントをもらえる気がする。
もっと気になったら資料集も開く。
多分これから一生このセットで本棚に並ぶんだろう。

本を入れて運ぶ袋だったらなんでもいいわけじゃない。
“PHILOSOPHY”を読む女の子の袋、この袋だから良い。

今日を一緒に過ごして欲しい本を選んで、袋に入れる。
紐をキュッと結んだら、何よりも心強い「お守り」の完成です。